臨床と研究の狭間空間

整形外科医で某国立大学の大学院で研究をしています。大学院生という立場からのブログです。

スポーツドクター資格

こんにちは。鋼の整形外科医です。

前回の記事で日整会専門医試験について書きましたので、その流れで次はスポーツドクターの認定講習について記載してみます。

スポーツドクターの資格取得に興味がある方は参考にして下さい。

 

 

スポーツ領域で積極的に活動をしているよせやん先生もスポーツドクターについてブログで記事を書いており、デザインなども非常に見やすいのでそちらも興味があれば参照して下さい。

sports-doctor93.com

 

 

スポーツドクターの種類

まずスポーツドクターと言っても、実は3種類の認定資格があります。

日本整形外科学会認定スポーツ医

②日本スポーツ協会公認スポーツドクター

③健康スポーツ医

 

上記の3つです。

自分は①と②の資格を保持しているので、これらについて今回説明したいと思います。

健康スポーツ医に興味がある方にはすいません。

 

資格申請方法

日本整形外科学会認定スポーツ医

名前を見たら分かるように、整形外科医向けの認定資格です。

整形外科疾患の中でもスポーツ障害、スポーツ外傷治療に携わりたい人が取得しています。

まず日本整形外科学会の専門医資格の保有が条件です。

現在、整形外科後期研修中の先生は専門医取得まで頑張ってください。

他科の先生は整形外科に転科しましょう

 

見逃しやすいのが講習会の案内です。

毎年3月頃に送付されてくる日整会の学会誌に案内が記載されています。

くれぐれもうっかり会誌を捨てないように気を付けましょう。

 

日本スポーツ協会公認スポーツドクター

こちらはちょっと特殊だなと思いました。

都道府県のスポーツ協会からの推薦が必要なんですよね。

推薦以外に必要なのは医師免許くらいですが、免許取得後4年間の経過が必要です。

つまり整形外科専門医を取るより先に受講が可能になります。自分はこちらの資格を先に取りました。

専門科は不問です。

自分の場合は某県のサッカー医学委員会に所属しているので、県サッカー協会の推薦をもらって申し込みをしました。

 

「えぇ!?そんなツテ無いよ!」って方もいるとは思います。

心配ご無用

割と簡単に推薦が貰えると聞きました。

スポーツドクターを志すという事は、何かしら造形のあるスポーツがあると思います。

まずはお住いの都道府県の各スポーツ協会(サッカー協会、野球連盟、バスケ協会...etc)に電話で問い合わせをしてみてください。

「あ、分かりました。手続しますね!」みたいな回答が来るそうです。

 

講習

全て座学のみとなってます。

最短で2年間かけて受講する必要があります。

コロナの影響で今年度はオンラインでやってるのかなと調べてみたんですが、普通に開催されているみたいですね。

初めは基礎科目を受講し、単位が認定されれば応用科目を受講できるようになります。

「単位が認定されれば」と書いたのは、別に落とされるとかいう意味ではなく、土日開催のうち片方しか参加できない!という人や、午前中の講義しか参加できない!という人も時々いるので、そういう方は翌年度に持ち越しという形になります。

 

総論(基礎科目)

名称としては日整会認定スポーツ医の方は総論、日体協公認スポーツドクターの方は基礎科目という呼称になっていますが、どちらかで単位を取っていればもう片方は免除になる共通の単位です。

前述の理由から、自分は日体協の方で基礎科目の単位を取得したので日整会の総論は受けていません。日整会の方が参加回数が少なくて済むと聞いたことがあります。

日体協の方は毎年10月頃に基礎科目Ⅰ、翌年2月頃に基礎科目Ⅱの講習が開催されます。

自分が受講していた時から毎年変わらず東京都千代田区ベルサール半蔵門で開催されているようです。

総論や基礎という名前だけあって、障害や怪我だけに留まらず、スポーツに関係する内科的疾患、アンチドーピング、女性アスリート関連など幅広い内容になっています。

 

各論(応用科目)

総論もしくは基礎科目の単位が認定された翌年以降に受講ができます。

こちらもやはり座学ですが、講義内容としては日整会の方が整形外科的疾患についてのウェイトが多い(当たり前)ので整形外科医としては聞きやすかったです。

各論(応用科目)の受講も全て認定されて、書類手続きなどが終われば翌年度から認定スポーツ医となります。

 

資格取得で変わること

専門医と同じであまり実生活にすぐ直結するものはあまり無いです笑

各団体のHP上で名簿に載るようになる為、スポーツ医を検索してから受診を決めるようなネットリテラシーの高めな患者さんに対する集患効果は多少あるかもしれませんね。

ちなみに、日整会の方は自分の会員専用ページから名簿に名前が載るよう設定する必要があります。

それぞれの団体のスポーツドクター名簿はこちら↓

www.joa.or.jp

www.japan-sports.or.jp

 

標榜することができる

勤務先の病院や、開業医の先生なら自院のHPで保有資格の一つとして標榜することが可能です。

専門医だけだと〇〇科ということしか分からなかったりするので、患者さんを紹介をする時にある程度のスポーツ医学知識を持っていそうということが予想しやすくなります。

 

日体協の仕事を受けやすくなる

どの種目かはその時々で変わりますが、会場ドクターの人員が足りない場合などに募集のメールが回ってくるようになります。

また、代表チームの帯同などを行う場合は日体協公認スポーツドクターの資格が必要なようです。

 

バイト案件

これはつい最近あった事なんですが、スポーツ整形外科外来を担当できる整形外科医を探しているクリニックに非常勤勤務をしないかという電話がかかってきました。

自分は専門医を取った後から、医師派遣バイト会社に何社か登録しています。どこに登録していたっけ・・・(笑

いままで当直系の登録しかしてなかったので外来系のバイトの案内が来なかったのは当然ではあるんでけど、おそらく上に書いた日整会のスポーツ医の登録で検索でもしたんでしょうね。

スポーツ整形外来に力を入れているクリニックへの勤務は前から少し興味があったのでお引き受けさせて頂くことにしました。

こういうちょっとしたご縁をもらえるチャンスにもなるんですね。

 

スポーツドクターの資格のうち、日整会認定スポーツ医と日体協公認スポーツドクターについて書きました。

これから取得しようという先生方の役に立てばと思います。

それでは!

 

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