臨床と研究の狭間空間

整形外科医で某国立大学の大学院で研究をしています。大学院生という立場からのブログです。

整形外科の各分野

2019-06-10記載
 
こんにちは。鋼の整形外科医です。
どの診療科でも、「〇〇科専門医」よりさらに専門に特化した専門分野を持つことが多いです。
〇〇科専門医、というのがスペシャリテ
その中で△△が特に専門。に該当するのがサブスペシャリティというやつです。
整形外科というスペシャリティの中だけでも沢山のサブスペシャリティがあります。
疾患・部位で分けることが多いので、頭側から順に書いていくと
①小児
②腫瘍
③リウマチ
④外傷
⑤脊椎
⑥肩関節
⑦肘関節
⑧手外科
⑨股関節
⑩膝関節
⑪足外科
ざっとこんなところでしょうか。抜けていれば後で書き足しますw
医局によっては⑥~⑧を上肢班が診療したり、⑨~⑪を下肢班が診療したりとオーバーラップすることがあります。
他にも人工関節手術が専門の先生は肩・股・膝にも人工関節をやったりと様々です。
本日、なぜサブスペシャリティを記載したかというと、ここ最近は④に書いた外傷の勉強会に出席することが多かったからです。
主に骨折治療と言い換えてもいいかもしれませんが、それに伴う軟部組織障害なども扱います。
一般的に、整形外科を専攻してから真っ先に取り扱うのが外傷治療です。
その理由としては、乱暴な言い方をするともともと怪我で最悪の状態になっているから治せばいいだけだからです。
例えば、バイク事故などで半分ほど足がもげている人だったり、工場の事故で指が何本か切断されてしまった人を治しますが、不幸にも患肢(怪我した手足のこと)救済できなかったとしても、それほどひどく文句を言われることはありません。
と言うよりは全力を尽くした後にどうしようも無くなって切断ということになっても、もしろ患者さんからは感謝されている印象です。
それとは逆に、痛いながらも歩けていた人が人工関節手術を受けたら、むしろ歩けなくなった。というような経過を辿ると非常に心証が悪いです。
ちょっと大げさに書きましたが、こういう事情もあり若手整形外科医は外傷治療から、徐々に整形外科疾患の概要を学んでいくことになります。
「じゃあ外傷治療は若い人しかやらないの?」
残念ながら、重度四肢外傷や骨盤骨折といったような専門的外傷治療が必要なものを除いて、年配になればなるほど外傷治療から遠ざかる傾向にあります。
かくいう自分も、現在は大学院生で専門班の所属になり骨折治療の手術執刀は・・・1か月ほどしていません。(大学院生だから手術自体少ないというのもありますが。)
しかし持論としては整形外科は外傷外科治療の上に成り立っていると思います。
なので、どれほどサブスペシャリティの道に進もうと、外傷治療のアップデートは必ず必要であると考えています。
骨折後の初期治療時に適切な手術を受けれなかったばかりに、miserableな結果となっている症例もたくさんいます。
整形外科志望の研修医の先生や後期研修医の先生たちは、専門分野をどこにしたいと夢見ている人も多いと思いますが、まずは外傷治療をしっかり習得し、その後もスキル・知識の維持をしていただければと思っています。
take home message
整形外科は外傷外科の上に成り立っている!!